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『三銃士』と『トロワ-剣と絆の物語-』

シャイマス開幕!続いて最高な2月も開幕!ウルトラブラスト発売!シャイマスも残すところリコリスの森のみとなったこの愉快なタイミングで三銃士とトロワ-剣と絆の物語-の感想をあげる勇気ある筆者、私!

Lost Aliceも原作研究中ですいずれ感想上げます。

 

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アレクサンドル・デュマ『三銃士』

同じく 『二十年後』

うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Masterpiece Show『トロワ-剣と絆の物語-』

のネタバレを大いに含みます。ご注意ください。

 


『トロワ-剣と絆の物語-』
三銃士前日譚。キラキラなアイドル達が挑戦する中世フランス群像劇、面白いから観て。

『三銃士』
19世紀フランスで出版された少年漫画だと思ってくれればいい。こんなに熱い絆と闘いの物語が19世紀フランスにすでに存在したのすごくない!?しかもこれが21世紀の日本で読めてしまうから、文学は偉大だと思う。フランス語を勉強したくなるよ。カミュがツイートしてたけど、三銃士は大長編でして、『三銃士』『二十年後』『ブラジュロンヌ子爵』という三部からなります。当記事ではそれぞれ一部、二部、三部と呼ばせていただきます。筆者は二部まで読破しました。まだまだ勉強不足ですので、拙い点が多いかと思いますがご容赦ください。

 

アトス
目的のためには捨てるべきものは迷わず捨てるの、とてもカミュじゃない?二部の終盤とかで貴族の誇りが傷つけられる(英国王チャールズが辱められ殺されるシーンなど)と、普段の様子からは想像もつかないくらい怒るの、カミュじゃない?貴族の誇りをよく理解しているカミュじゃないとアトスの過去への葛藤(第一部 周囲の反対を押し切って罪人を妻にしてしまい挙句その女を殺す)とか怒り(第二部 先述)は表現できないと思う。すごくハマり役。事務所が考えてキャスティングしている。カミュが持っているのは女王への敬愛で、アトスが銃士隊に対して抱いているのは居場所をくれたという恩からくる尊重と愛だと思うんだけど、どっちも捧げているのが「服従」って言うの、面白い。(それをアラミスに批判されているのも。皮肉の一貫ではあるけどこれはアトス刺さる。)その違いをカミュはどう解釈して演技に落とし込んだんだろう?カミュはただ剣として忠実に尽くすことに誇りを持っていたけど春を知って、1人の人間として生きてみたくなる、というお話でしたね。アトスはアラミスに「ただの犬」って言われて言葉に詰まっているから、アトスはただ盲目に尽くすことには価値を見出していなくて、銃士隊と同僚への愛をもって尽くしている人なんじゃないかな?だとしたら、その愛(注)は今のカミュさんじゃなきゃ演じられないなと私は思う。
第1部でアトスは隊員仲間のためには我が身を省みないくらいの献身をしているから…よくここからトロワまでアトスの人格を読み込んで話を作り上げたなぁ…本当すごい。


ただ「愛」って書いたけど、アトスの愛は「情愛」だと思う。アトスがダルタニャンに向けている子を思うような気持ち、情愛以外の言葉で表現できたら教えてもらいたいので連絡ください。切実です。

こういう愛を(こだわり…と言ってしまってもいい)もっている人だから、カミュさんから「ショーのために3人でコミュニケーションをとろう」と言い出したのなら、カミュは本当にプロ意識の高い、実直なよく出来た人だなぁと言わざるを得ない。性格は悪いけど。

 

ポルト
「登場すると安心する枠」として認識している…要約すると「いい人」
彼は貴族の次男か三男で自活するしかないので「信じられるのは己の力だけだ!」というのも理解できる。銃士隊は彼にとって力を発揮できる都合のいい場所なので。最初はね。彼の腕も心も、また一つの強さの形だよなぁと思う。多分三人の中では一番自活力と生存力が高くて、作中で見栄ははるけど、あまりに無鉄砲なこととかはむしろアトスがやってたりする。見栄も微笑ましいというか、三銃士割とコメディなのでその一つとしてお話に馴染んでいてキャラが立っててかわいいし。ポルトスの腕っ節とダルタニャンの頭があればそこらのことはできてしまうので、そんなに大きくない事件だと見栄っ張りな性格を原因に退場させられがちなのよね…。退場さえしなければいつもしっかり自分の力を発揮する、安定した、しっかりした人というイメージがあります。それをヒーローに憧れる翔くんが演じるの、自分の力不足を嘆いて嘆いて(Debut)、やっと自分にしか表現できない等身大の強さを見つけた翔くんが演じるの、感慨ぶかい。とても有り難い。つい拝んでしまう。見栄を張る来栖翔くんかわいいです。

 

アラミス
貴族の次男か三男というのがめちゃくちゃいい…次男は財産を相続できないので自活するしかない。でもなんでアラミスは神学を志したんだろうね?
アラミスはアラミスの事情(女)と目的(女)があって入隊しているので、銃士隊を大事に思うアトスやポルトスの気持ちは…分からないよね…。特にポルトスとは真逆のタイプすぎるのであいいれませんよね…(原作はそこまででもないよ…トロワは前日譚だからね…。アラミスが女王の悪口言ってポルトスがたしなめるシーン超好き。
哲学を学び始めた藍ちゃんが神父志望演じるの、きっとすごく勉強してから演じたでしょ…。キリスト教哲学とかルイ13世あたりからピューリタン革命後のヨーロッパ史教えてくれそう。翔くんに。)
自分とは違う考えを受け入れられない時期が自分にもあったって(プリツイ)振り返るの、もうこれすごい愛しい。ちょっと恥ずかしいやつじゃん…。FORCE LIVEのシャニライのストーリーでも言っていたけど、成長し続ける美風藍、めちゃくちゃかっこいい。
トロワ-剣と絆の物語-でアラミスは「弱さ」を一番最初にだしてしまう役で、銃士に対して思い入れが深くないことが要因ではありますが(そこから仲間への信頼を覚えて「三人は死ぬ時も一緒」と言えるまでがトロワでの彼の成長であり物語の肝)でも考え込んだ上で(←すごく美風藍)今自分がいる道が捨てられなくなってしまうの、アラミスちゃんの業と可愛さ。神学どこいった。これは原作でも2回くらい出てくる。
一度決めると心の奥底ではすごく固い子。二部で対立する派閥としてダルタニャンとポルトスと再会した時、立場を貫こうとしたり。意志は固い子です。銃士の誓いが勝ちますが。アトスの説得で。いくら対立しようと心はいつまでもあの時のままなんだよ。仲間への思いは人一倍だから英国王チャールズ救出の時アトスに「お前には死んでもこれをやり遂げてもらわねばならん」と言われて理解力があるのでその必要性を理解して頷くけど仲間全員に接吻して回るんだよ彼は。情を捨てきれない。彼は結局いつまでも銃士であるんだと思います。願わくば永遠に。
(アラミスやたら死地に赴かされがちなので死ぬの分かっててこれを歌で聴くと辛いんだよね)

三人とも、出自の事情で自分のことを簡単に曝け出すわけにいかなくて、原作だとヴィクトル隊長(嶺二)しか三人の本名を知らないという設定があったりして、いや三人以外にも銃士隊に入る奴なんてみんなワケありなので全員偽名を名乗るんですがそれはどうでもいいとして、
ともかく、アトスは過去の負い目があり、
ポルトスは自分の力しか信じず、アラミスは人(女関係)に揉まれすぎて銃士隊に入っているので、信頼し合えないのは当然ではないかと。アトスは年長者なりに努力するけど仲間を背負いきれない、自身の負い目からくる弱さをずっと引きずっているし、ポルトスは単独行動が活きるし、アラミスは皮肉散弾銃。ただ三人はそれぞれ足りないものをそれぞれが持っているから(例えばポルトスの力とアラミスの頭とか、アトスの統率とアラミスの遊撃。)ヴィクトルはそれを見抜いていてそっと支えてあげてるの、従僕たちは主人を信頼しているからそっと背中を押してあげるの、原作だと絶対ありえないのでやってくれて良かった。ハートフルだった。トロワありがとう。
吊り橋効果だと言ってしまえばそれで終わりでもあるんだけど、背水の陣というのはどうやらその人の人格が如実に表れでてしまうようで、闘いを通して三人が自分と向き合って仲間の大切さをそれぞれの立場で自覚するさまは正に「群像劇」であるので、中世フランスを熱く駆け抜けたい方は是非ご覧ください。全国のCDショップで販売中、TSUTAYAでもレンタルしてます。

 

三人のうちで分量に差が出てしまったことは反省しております…!本当に…!言い訳させていただくと、原作でのそれぞれの過去に関する記述量の差です……もっと勉強します……

リコリス楽しみ……